嶺井に限らずDeNA捕手陣の課題は打撃だ。バットでアピールしていきたい
1月のトークショーで
ラミレス監督が公言したように、DeNAの正捕手争いは昨季途中に
オリックスからトレード移籍した
伊藤光が本命にある。だが、チームの躍進期を支えてきた生え抜き捕手も黙ってはいない。昨季はキャリア最多の91試合でマスクをかぶった6年目の
嶺井博希はダークホースになり得る存在だ。
ラミレス監督は練習試合、オープン戦と実戦に突入すると、
戸柱恭孝を含め一軍捕手の3人にほぼ均等に出場機会を与えている。戸柱と伊藤光が打撃の好調をキープする中で、嶺井は守備で大きなインパクトを残した。
3月7日の
中日戦は、かつて多くの伝説を残したナゴヤ球場での23年ぶりの一軍開催とあり、球場には早朝から長蛇の列ができた。当然、中日はベストメンバーをスタメンに並べた。そのアウェーの状況で、嶺井は先発したドラフト1位ルーキーの
上茶谷大河を4回パーフェクト投球に導いた。両コーナーを幅広く使い、武器の制球力を引き出す好リードだった。さらに2番手で登板したドラフト3位入団の
大貫晋一には、強風下で大きく変化したツーシームを多投させ、4回無失点の好投を支えた。
捕手向きと言われる大らかな性格で、後輩投手陣からの人望も厚い。課題は打撃力。昨季は5本塁打を放ったが、夏場のスランプが響いて打率.177にとどまった。「去年全然ダメだったので。変えるには良いタイミング」とキャンプから取り組んでいる一本足打法で、正捕手奪取を見据える。
写真=早浪章弘