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中日・吉見一起 心を奮い立たせる球団への恩/生え抜きの意地

 

“エース”と呼ばれたころのような活躍を期待される吉見


 6年連続Bクラスに沈む中日。昨季限りで岩瀬仁紀荒木雅博浅尾拓也が引退し、黄金期を支えた選手も少なくなった。だからこそ、当時エースだった右腕の思いは強くなる。14年目を迎えた吉見一起が、今の心境を口にした。

 「当たり前のように勝っていたチーム。あのころはこの試合に負けたら終わりとか、絶対に勝たないといけない試合で勝ってきた。それをもう一度、このチームで味わいたい」

 トヨタ自動車時代から慕う金子弌大が、オリックスから日本ハムに移籍。吉見も「違うところでやってみたい気持ちもある。環境を変えたほうがいいのかなとも思う」と正直に明かした。
それでもFA権を行使せずに残留したのは、愛着があるから。「恩はしっかり返さなくちゃいけないというのがある」。故障を抱えながら希望枠で入団。その後も度重なる右ヒジ手術からの復活を後押ししてくれた球団に感謝する。

 昨季は5勝7敗ながら、退団したガルシアに次ぐ125回2/3を投げた。今季もローテーション候補の一人として、首脳陣は期待を寄せる。新たに目標に掲げるのは「40歳まで現役」。昨季、同じ生え抜きの先輩、山井大介の投球を見て、思いが芽生えた。

「40歳まで投げるための2019年。逆算してやりたい。規定投球回は目標ではないけど、先発で回る以上、そこは通過したい」。

 今季のチームスローガンは「昇竜復活」。かつてのエースがその旗手になる。

写真=BBM
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