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西武・金子侑司 強力打線のカギを握るトップバッター/待ち遠しかった開幕

 

開幕から一番座る金子侑


 キャンプ初日から明らかに違いを見せていた。今季へ懸ける思いは間違いなくチーム一だ。昨季、6年のキャリアでワーストタイの打率.223に終わりながらも出場111試合中、93試合で先発と辻監督は金子侑司のポテンシャルを信じ、起用し続けた。今季こそ期待に応えなければならぬとの思いが、何よりの原動力になっているのだ。

「一番を打つのが今年の目標」と断言する中、開幕からトップバッターを務めた。昨秋から、赤田コーチ、阿部コーチとともに打撃フォームの改善に着手。技術的な部分に加え、オフには自分自身と向き合い、精神的な面からも見直した。オープン戦で打率.291、出塁率.391をマークし、「その一つひとつが、形として現れていると思います」と本人も納得の表情を浮かべていた。

 昨季まで一番には秋山が座っていた。リーグ屈指の打率、出塁率を誇り、“猛打”と評されるライオンズ打線の生命線だっただけに、同等以上の成績が求められることは必至だ。「良くない日もありましたが、その中でも1本出たり、四球を取ったりが少しずつできてきている」と着実なる手応えを口にしていた。

 出塁率が増した2016年の盗塁王を一番に置ければ得点チャンスはさらに増える。打点王の浅村は抜けたが、昨季以上の得点力は期待できる。その意味でも連覇達成の最大のカギを握る存在だと言っても過言ではない。

 開幕シリーズのソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では1安打に終わり、トップバッターの役割は果たせなかった。だが、4月3日のロッテ戦(メットライフ)では3回、中前打で出塁し、続く源田壮亮の二塁打で一塁から長躯ホームイン。快足を誇る金子侑だからこそ、先制のホームを踏むことができたプレーだった。

「去年、あんな成績でも使い続けてくれた監督の期待にしっかり結果で応えたい」

 金子侑は静かに、熱く、燃えている。

写真=大泉謙也
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