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広島・野間峻祥 持ち直した危機感が活路を開く/スタートダッシュに成功

 



 野間峻祥が開幕ダッシュを決めた。巨人との開幕3連戦は、3戦すべてでマルチ安打をマークし、打率.545。「後ろにつなぐ意識で何とか食らいついていった結果」と自己分析した。2カード目の中日3連戦でも毎試合安打を放ち、3戦目には3安打を固め打ち。打率5割とし、この時点での打率トップに立った。

 必死だった。打席数を稼ぐため開幕前に二軍に合流したが、ウエスタン・リーグ開幕戦のソフトバンク戦で本塁を踏み忘れ、そのまま二軍同行を言い渡された。それでも現実をしっかりと受け止め、アピールを継続。開幕直前に一軍に呼び戻され、3月24日の最後のオープン戦に八番・中堅で出場。2打点を挙げ、開幕スタメン入りにこぎつけていた。

 中堅のレギュラー候補として、首脳陣の期待は大きい。守備力では、ライバルたちを圧倒。守備範囲、一歩目の速さには一日の長がある。それだけに、打力で存在感を発揮し続け、さらなる信頼を勝ち取りたい。

 オフから下半身を徹底的に鍛えるなど、レギュラー取りに向けた準備をしてきた。キャンプ中にチームからただ一人、侍ジャパンのメンバーに選ばれたが「まずはカープでレギュラーを取らないと」と冷静に自らの立ち位置を見定め、鍛錬を続けてきた。

 野間が三番に定着すれば、打線に厚みが増すことは間違いない。スタートダッシュの勢いをそのままに、危機感を持ったまま今季を駆け抜ける。

写真=BBM
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