昨季はリーグ5位の打率を誇ったスイッチヒッターだが……
開幕4戦目にして、早くも
ソイロ・アルモンテの名前がスターティングオーダーから消えた。来日1年目の昨季は『アルモンテハンマー』とも言われた強力な打撃で、リーグ5位の打率.321、15本塁打、77打点をマーク。今季も当然、中軸を任されたが、開幕カードの
DeNAとの3連戦で10打数無安打。まさかのスタートとなった。
「何も心配していない。まだ始まったばかり。状態は悪くない。何も変えることはないよ」と話していたアルモンテ。だが、与田監督は動いた。試合に出てきっかけをつかませるのではなく、スタメンから外し復調を促した。アルモンテも試合中にベンチ裏で振り込むなど、真面目な性格だけに隠れた努力を重ねていた。
4月6日の
ヤクルト戦(神宮)では、代打で登場し、
石川雅規から本塁打。これが今季16打席目にしての初安打だった。翌7日にも、スタメンで2試合連続となる本塁打を放った。一瞬、上昇ムードを漂わせたが、状態は思うように上がっていかなかった。
波留敏夫打撃コーチは「良くない。左打席はまだいいけど、右打席が特に良くない。体のキレがない」と言う。実際、左打席の結果はアウトでも力強い打球を放つシーンが多い。一方、右打席は凡打の内容も良くない。アルモンテに代わって左翼で出場することが多い
福田永将が好調だったため、深刻な問題と化していなかった。
しかし4月25日の
広島戦(マツダ広島)に
エンニー・ロメロを先発させるため、外国人枠を調整する必要があり、アルモンテが抹消されると、強力打線は勢いを失った。三番の
大島洋平が好調だが、福田や阿部も徐々に調子を落としている。五番を務められる打者がいないことで四番・
ビシエドへのマークがより厳しいものになり、アルモンテ抹消期間中のビシエドの打率は.143。さらにチームの平均得点は、わずか1.75点と、打線につながりを欠いている。
アルモンテの不調、抹消による打線低迷は誤算だが、何とか埋めていくしかない。福田をはじめ
遠藤一星や
井領雅貴、初めて一軍登録中の
伊藤康祐らが、これを“うれしい誤算”に変えてくれるか。
写真=BBM