気合が入った。4月17日、熊本・リブワーク藤崎台での
巨人戦。味方が9回表に3点取って逆転し、中崎翔太に出番が巡ってきた。一死から味方の失策と四球で一死一、二塁。一打同点のピンチで
陽岱鋼を二塁への併殺打に仕留めた。チームの連敗を2でストップ。今季2つ目のセーブを手にし「しっかり続けていきたい」と話した。
1週間前に悔しい思いをしていた。4月10日の
ヤクルト戦(マツダ
広島)。今季初めてイニングをまたいだ2イニング目。延長10回一死満塁から山田哲の当たりが菊池涼の失策を誘い、勝ち越された。その瞬間、マウンドでヒザをつき、顔をしかめた。持ち味のポーカーフェースを崩してしまうほど、この勝負にかけていた。次打者・
バレンティンに右前適時打を打たれたところで交代。1イニング12点のきっかけをつくり、今季2敗目を喫した。
チームが開幕から低迷し、中崎の出番も限られていた。開幕1巡目5カードでの登板は4試合。そのうちセーブがつく可能性があったのは1試合しかない。リズムをつかみにくい状況が続いていた。それでも、それを言い訳にできないのが守護神でもある。
調子が悪いなら悪いなりに決定打を打たせない。自らの状態を把握した上で、相手の狙いを見極め、ベストボールを投げ込む。それが、中崎のスタイルだ。どんな形でも、チームが勝つための最後のとりでになればいい。中崎はこれからも自らと向き合い、チームのために投げ続ける。
写真=BBM