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中日・鈴木博志 守護神を担うプライド/守護神たちの序盤戦

 

岩瀬仁紀のような守護神になれるか



 抑えて当たり前と見られ、失敗したときにこそ注目を浴びる。守護神の立場を理解しているからこそ、鈴木博志は開幕直前、2年目のシーズンを前に力強くこう宣言した。「打たれたり負けたりしても、ホームを踏ませたくないという執念だけは貫き通す」。その執念が問われたのが、4月21日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)だった。

前日20日の同戦は同点の9回に登板し、二死満塁から2点を勝ち越された。今季初黒星を喫し、チームも3年ぶりの首位を逃した。「次につなげないといけない」と誓った「次」が翌21日。試合前、首脳陣から「今日もいくから」と告げられた。

出番は2点リードの9回。二死から走者を出し、一発出れば同点の場面で、バレンティンを迎える。昨季は6打数4安打3本塁打と辛酸をなめた主砲を前にしても、落ち着いていた。「いつもと同じ心境で投げられた」。外角への直球で左飛に打ち取り、7セーブ目を挙げた。

現役時代に同じポジションを担った与田剛監督はこう言った。「私もそうやって育ててもらったし、コロコロ変えたくない。よく投げてくれた」。そこには経験を積ませて独り立ちさせたい首脳陣の思いがにじむ。

育成出身のR.マルティネスが台頭。左腕のロドリゲスに加えて、昨季は精彩を欠いた谷元圭介らも安定してきた。救援陣の整備が進む今季、出番は多いはず。「1年間一軍で投げ続ける」。守護神の座を譲る気はない。

写真=BBM
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