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日本ハム・中島卓也 不動のショートストップの存在感/守備職人のプライド

 

フットワークの軽い守備で開幕から遊撃に定着している中島卓


 今シーズンも内野の要でもあるショートストップは中島卓也が担う。4月28日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で有原が打たせた中前に抜けそうなゴロを華麗にさばいて、平然とアウトを取る姿が何度もあった。その試合では満塁の場面で先制の適時打を放って決勝点をもたらすなど攻守で輝きながら試合後には、守備職人のプライドが垣間見えた。「まずは守りからいくのは毎試合変わらずにやり続けたいです」。堅い守りでチームだけでなく、自分にもプレーのリズムを持たせるのが中島卓のプレースタイルだ。

 チーム随一の守備力を支える思考として「最も大切にしているのは1歩目です」。打者が打つ直前まで両足は小刻みに動かし、守りのリズムが出るという。投手が投げる球種、打球方向の特徴、バット軌道など……目に見えるすべての情報やデータをベースに素早く1歩目を踏み切れる準備ができているからこそ守備範囲は広い。その結果、外野へ抜けていきそうな打球もグラブに収められる可能性が高まる。

 4月終了時点で全試合に出場していまだ失策はゼロ。軽快な守備から紡ぎ出すリズムは、確実に打撃にもいい影響を与えている。開幕戦では延長10回に中田のサヨナラ満塁本塁打の起点となる二塁打を放つなど、要所でいぶし銀の働きを見せている。選手会長としても2年目のシーズン。内野の守備リーダーであり、精神的にも支える背番号9の存在はチームに欠かせない。

写真=BBM
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