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ロッテ・安田尚憲 未来の四番が抱く努力はいずれ実るという確信/本領発揮はこれからだ!

 

安田は2年目の今季、二軍戦で確かな成長の跡を見せている


 周囲が思うのだから、この男自身、現在地に満足しているはずがない。ただ、愚痴はこぼさない。ロッテの二軍、ロッテ浦和球場で安田尚憲は、ただひたすらバットを強く振ることに集中している。

「今、できることをしっかりやることだけですね。日々、努力を重ねていこうと思っています」

 昨季、終了時にはレギュラー争いの最前線にいた。2月の石垣島キャンプでは持ち前の長打力に「追い込まれて三振するよりも粘ってしぶとくいくことが大事だと思う」と、確実性も加えようと試行錯誤。視察した侍ジャパンの稲葉篤紀監督からは「もっと飛ばせるんじゃないか?」と心配されるほどだったが、それが一軍の定位置への最短距離だと信じていた。

 ただ、オープン戦終盤からは二軍戦での出場が主になり、ドラフト1位ルーキー・藤原恭大のフィーバーに隠れるように開幕を二軍で迎えた。ここから二人三脚が始まる。教えを請うたのは福浦和也内野手謙二軍打撃コーチだ。

「福浦さんに教わっていることは、簡単に言えば下半身を使うことですね。強いスイングでボールの飛距離を追い求めています。どんなボールにも強いスイングをしたい」。春先にはなかった「急がば回れ」の意識が、背番号5には芽生えた。

 イースタン・リーグでは打率3割前後をキープし、5月14日の日本ハム戦(鎌ケ谷)ではリーグ単独トップとなる6号本塁打を放つなど、結果が出始めた。今は一軍のことを聞かれても「考えても仕方のないこと」と笑って言える。努力はいずれ実るのだという確信が、その笑顔から見て取れる。

写真=BBM
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