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楽天・ウィーラー 取り戻した勝負強さ/序盤戦MVP

 

明るいキャラがチームを盛り立てる



技術、気迫。すべてが見事だった。5月1日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。2回無死一塁。武田翔太の147キロ直球が、ウィーラーのヘルメットのつばを直撃した。

「令和」では初となる危険球退場。楽天ナインが三塁側ベンチから飛び出し、一触即発ムード。警告試合が宣告された。

「野球生命に関わるような危ないボール」と話した助っ人だったが、志願の強行出場。ブラッシュの適時打で先制のホームを踏んだ。

 見せ場は3回二死三塁の第2打席だ。外角の球をしっかり踏み込んで、右前へタイムリー。7回にも適時打を放って、2安打2打点の活躍を見せた。平石洋介監督は「たいしたもの。(死球を受けた後は)体が勝手に(萎縮などの)反応をしてしまうときもある。よく踏み込んで打った」と評した。

 ロッテとの開幕カードでは、3試合で13打数6安打8打点。4月は月間打率.233と打率は低調だったが、勝負強さを発揮して、ここまでチームトップの37打点と大暴れしている。

 昨年は春季キャンプに2月中旬から合流するなど、スロー調整が恒例となっていた。だが今年は平石監督から直々に「キャンプ初日から動ける体で来てほしい」と要望を受けた。オフも節制を続けて、キャンプ初日から意欲的に取り組んだ効果が、目に見える形となって表れた。苦手だった春先に大暴れした点も加味して、ウィーラーを序盤戦のMVPとしたい。

写真=BBM
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