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日本ハム・杉浦稔大 威力満点の伸び上がる自慢のストレート/わがチームの速球王

 

浮き上がるようなストレートで存在感を発揮している杉浦


 しなやかな腕の振りから放たれるスピードある直球は伸び上がり、きれいな球筋は球界でも随一と評判だ。今季初登板初先発となった4月23日の楽天戦(札幌ドーム)は圧巻だった。ストレートは相手のバットにまともに当たらなかった。最速は150キロにとどまったが、球速以上の速さと力強さに相手バッターはとまどっていた。5回パーフェクト。右肩に不安を抱えているため、球数制限もある中で最高のパフォーマンス。バッテリーを組んだ鶴岡慎也も「今の球界でナンバーワンの真っすぐ」と舌を巻いた。

 2017年シーズン途中にヤクルトからトレード移籍した当時から右肩を痛めていた。新天地でも最初はリハビリを地道に進めた。日本ハムでのデビュー戦は移籍2年目の昨年7月21日のソフトバンク戦(札幌ドーム)。この時も5回無安打無失点、許した走者は死球を与えた1人のみ。やはり最高級の真っすぐが投球の軸だった。ただ、課題は右肩のコンディション維持だった。

 エースになり得るポテンシャルを継続的に生かすための策が極力「投げない」調整。登板間は主にキャッチボールで感覚を確認。登板間隔も十分に空けながら、ブルペン入りも1、2回に抑えることで右肩の消耗を軽減。中17日で臨んだ2度目の登板となった5月11日の西武戦(札幌ドーム)でも直球は力強かった。5回1安打無失点と完ぺきな内容で今季初勝利をマーク。杉浦の先発の頻度が上がればチームも上昇気流に乗れる。

写真=BBM
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