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ソフトバンク・千賀滉大 武器は“お化け”だけじゃない!/わがチームの速球王

 

最速161キロの直球で打者をねじ伏せる千賀


 シーズンに懸ける思いをわずか1球で証明した。3月29日の西武との開幕戦(ヤフオクドーム)。2年連続で開幕投手を務めた千賀滉大の先頭・金子侑への初球だった。外角高めに外れたが、『161キロ』の球速表示に本拠地はどよめいた。開幕戦独特の緊張感を切り裂いた自己最速。「久しぶりに体が震えてる緊張感があった。初回は本当に腕だけで投げた感覚。うれしいっちゃ、うれしい」と興奮気味に振り返った。

 絶対的エースを目指し、予告していた160キロ超だった。オープン戦最終登板で159キロを計測。“大台”に向けても「キャンプのときにシーズン中盤ぐらい(に出る)かなと思った」と語っていたが、まだ肌寒い3月の開幕戦で突破。これも状態の良さを示すバロメーターだった。

 昨季も開幕戦の初球で当時の自己最速157キロをマークした。しかし、シーズンを通して先発ローテを全うすることはできず、規定投球回数にも到達しなかった。今年は違う。好投を続けながら勝ち星に恵まれず、自身4試合目の4月19日の西武戦で初勝利を飾った。昨季3戦3敗と苦しんだメットライフドームでの初勝利。「堂々といるように意識している。みんなに大丈夫と思ってもらえるように」。風格も漂ってきた。

 チームには甲斐野央川原弘之スアレスら速球自慢が名を連ねる。3年目の古谷優人も三軍戦で日本人左腕最速の160キロをマークした。群雄割拠の速球王争いで千賀にもさらなる記録更新の期待が高まる。

写真=湯浅芳昭
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