出番は少なくても、いぶし銀の存在感が光っている。
西武からFAで加入したプロ14年目のベテラン捕手・炭谷銀二朗だ。
今季は原辰徳監督が
小林誠司、
大城卓三との捕手併用制を敷いているため、5月29日時点でチーム54試合中21(先発は17)試合の出場。それでも5月17日の
中日戦(ナゴヤドーム)では、「連敗を止めること、とにかく勝つことだけを考えて準備した」と、スタメンマスクで6投手を1失点にまとめる好リードを披露しつつ、9回にはダメ押しの適時二塁打を放った。連敗を4で止める原動力となった炭谷に、原監督は「小林も非常に参考になったと思う。リード面において存在感があった」と高評価。随所でチームを助けている。
そんな炭谷に期待がかけられるのが交流戦だ。西武時代は安定感のあるリードで長らくレギュラーに君臨。
森友哉の台頭で昨季は47試合の出場にとどまり、8年ぶりに100試合に届かなかったことで、移籍を決断したが、パ・リーグのことは知り尽くしているといっても過言ではない。
巨人は2014年に交流戦の優勝(1位)を果たして以降は、15年から11位、7位、10位、7位と振るわない。「パ・リーグで長くやっていた経験を生かせればいいなと考えています。とにかく、何でもチームの力になりたい」と炭谷。小林や投手陣にパの強打者の特徴を伝授し、野手にはパの投手の情報を伝える役割を買って出るつもりだ。古巣・西武との対戦にも「楽しみ」と語る炭谷が、交流戦での快進撃に導く。
写真=BBM