笠原が復帰すれば、先発だけでなく中継ぎの負担も軽減されるはずだ
開幕投手を務めた左腕に笑顔が戻ってきた。3年目の
笠原祥太郎が、5月28日に捕手を座らせて投球練習を再開。変化球を交えて32球を投げると「全然ダメでしたね」と言いながらも、明るい表情を見せた。
大学時代から自覚があった不整脈の症状が出て、12連戦の初戦だった4月27日の
阪神戦(ナゴヤドーム)で先発を回避。翌日に出場選手登録を抹消された。5月10日の精密検査で「発作性上室性頻拍」と診断された。
プロ入り後もマウンドで何度か起きていた動悸。休めば収まるので「大丈夫」と思っていた。初めての治療。主治医の「根治できない場合、運動は勧められない」との言葉に最悪の事態も想定した。「実家が農業をやっているので、新潟に帰って農業をやろうかと思いました」。引退すらも覚悟した。
幸い、名古屋市内の病院でのカテーテル治療は成功し、13日に退院した。「本当にホッとしました」。治療後、発作は一度も起きておらず、体もすぐに動かせるようになった。
20日には第1子となる長女が誕生。「子どものためにも、1日も早く復帰したい」と思い描く。
現在、チームの先発陣は
阿知羅拓馬や
清水達也ら、実績のない若手の踏ん張りでやり繰りしている状況だ。
「きちんと結果を出さないといけないと思うので、リーグ戦再開のときに、一軍で投げられるようにしていきたい」
選手生命の危機を乗り越えた左腕が、交流戦後をめどに、間もなく戦線に戻ってくる。
写真=BBM