チームのピンチを救い、お立ち台に上がった佐野
6月11日の
巨人戦(メットライフ)、突如訪れたチームのピンチを救った。開幕から先発ローテを守ってきた
今井達也が熱発のため急きょ登板を回避。そこで白羽の矢が立ったのが5年目左腕の
佐野泰雄だった。
今季は4月9日に一軍昇格後、リリーフ陣の一角を担っているが、もともと先発候補の一人であり、長い回を投げられる素地は備わっている。そのため、起用される場面も、ワンポイントや1イニングはもちろん、それ以上の2イニング、時には3イニングと、ロングのことが多かった。その対応力が、この試合でも存分に発揮された。
先発は昨年5月11日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)以来、1年1カ月ぶり。これまでは先発するとなると、「できるだけ長い回を投げ、ゲームを作らなければ」と強く意識したが、結果につながらなかった。
だが、今回は、あらかじめ「3回40球程度がメド」とコーチ陣から告げられていたこともあり、「先発の気持ちというよりは、中継ぎとして今までどおり、真っすぐで押せるところは押して、変化球はしっかりと腕を振る、ということを心がけて投げました」。これが奏功し、4回42球、1安打無失点の好投。勝利投手の権利こそ手にできなかったが、6連戦のカード頭という大事な試合でチームを完封勝利に導く立役者となった。
「いろいろな場面で投げさせてもらっているおかげ」と本人。現状、チーム防御率12球団ワーストと投手陣が苦しむ中で、先発からワンポイントまで、どこでもこなせる佐野の存在はとてつもなく貴重だ。
写真=BBM