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ソフトバンク・周東佑京 失敗もなんの! 気持ちを前に/足で魅せる

 

周東は前半戦の若手の頑張りを象徴する1人だ


 重要な場面で100パーセントの成功を求められる。緊迫した状況で、周東佑京は走った。6月16日のDeNA戦(ヤフオクドーム)、同点で迎えた延長12回。無死一塁で内川聖一の代走に送り込まれた。打席にデスパイネ。2球目で二盗を決め、好機を広げた。「緊張しました。けど、あそこは行かないといけない場面」。サヨナラホームこそ踏めなかったが、今季11個目の盗塁は走り屋稼業の典型といえた。

 ルーキーイヤーは二軍で盗塁王に輝いた。2年目の今季、期待された春季キャンプでのアピールは派手ではなかったが、開幕前に支配下登録。4月9日にプロ初盗塁を決めた。初スタメンでプロ1号の21日から出番を増やし、29日の2個目の盗塁から7試合で8盗塁をマークした。

 だが打撃の調子を落とし、徐々にスタメン機会は減少。5月31日には痛恨のミスもあった。同点の7回に代走出場すると、ヒットエンドランのサインが出た中でけん制に誘い出され一、二塁間で挟殺(記録は盗塁死)。その後の外野守備でも浅いフライを捕球後、二塁返球した間に三塁走者の生還を許すなど、いいところがなかった。

 それでも、翌6月1日も代走で出番が。「気持ちを前に持っていこうと必死でした」。2点差に追い上げた8回。恐怖心を振り切って二盗を決めると、相手捕手の悪送球も重なり三塁進塁。1点差に迫るホームを踏んだ。

 成功ばかりじゃない。表舞台での失敗も知った。足が鈍りそうでも、しゃにむに周東は前へ進む。

写真=湯浅芳昭
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