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楽天・則本昂大 戻ってきた主役/後半戦のキーマン

 

遅れた分を取り戻したい


 まるで漫画のようだった。ヒーローが、最高の形で帰ってきた。7月9日のオリックス戦(楽天生命パーク)。3月に右ヒジのクリーニング手術を受けた則本昂大が、昨年10月13日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来、269日ぶりにマウンドへ上がった。

 チームは10連敗中。負ければ球団最悪に並ぶ11連敗。最大で貯金10もあったチームが、借金生活へと突入する。絶対に落とせない大一番だ。「僕が止めるという気持ちでマウンドに上がった」。

 初回先頭の福田を空振り三振に斬って取ると、続く大城は直球で見逃し三振。完璧な立ち上がりを見せると、最速で152キロを計測。6回を散発3安打6奪三振で無失点。復帰戦を見事に勝利で飾り、チームの連敗も止めた。

 開幕前に違和感を感じて手術を決断。だが平石洋介監督は、さらなるのアクシデントに悩まされることになる。岸孝之も、開幕直後に離脱。指揮官は「どうなることかと思った」と振り返る。

 深刻な先発の駒不足。序盤は中継ぎ陣がフル回転し、その穴を埋めたが、前半戦終盤に入ってさすがに疲れが見え始めた。前半戦最終戦となった7月10日のオリックス戦(楽天生命パーク)では松井裕樹が今季5敗目。登板3試合連続での黒星を喫した。

 前半戦は勝率5割、4位でターン。だがいまだ9回を完投した投手はゼロ。後半戦は先発陣の活躍が欠かせない。「登板する試合は、全部勝ちたい」と則本昂。劇的な復活劇でチームを引っ張れるか。

写真=BBM
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