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中日・鈴木博志投手 勝ちパターンを担えるか/後半戦のキーマン

 

開幕当初は抑えを任されていた鈴木博志だったが……


 守護神をはく奪され、二軍降格も味わった。悔しさ、もどかしさ、反攻を期する気持ち。さまざまな思いが錯綜する中、6月7日からファームで再出発した鈴木博志。「去年二軍に落ちたときは、何をどうしたらいいか分からなかった。今回はやることが分かっている」。いろいろな思いが駆け巡る一方、頭の中はクリアだった。

 フォーム的な問題にストライクの取り方、さらには変化球の精度。課題を持って、炎天下での練習に取り組んだ。一軍の緊迫した試合では試すことなど厳禁。自分を見つめ直すために、ファーム再調整を前向きにとらえた。肩周りや股関節が思った以上に固かった。二軍にいる間に矯正し、さらには封印していたチェンジアップを再び解禁。貴重な時間だった。

 7月2日に再び一軍の舞台に戻ってきた。「二軍に落ちたときと全然違う状態だと思います。やるべきことをしっかりやってきたので。自信を持って臨めると思います」。しかし、復帰後初登板となった3日の巨人戦(東京ドーム)では、阿部慎之助亀井善行に痛打され2点を失った。

 状態が不安視されたが、下を向いている暇などなかった。代わって守護神を務めたR.マルティネスが、キューバ代表の一員としてパン・アメリカン大会に出場するため、7月中旬から約1カ月チームを離れる。

 阿波野秀幸投手コーチが「いずれは緊迫した場面で」と言うように、主戦場は勝ちゲームの終盤のはず。鈴木博の完全復調が、巻き返しを図るチームには欠かせない。

写真=BBM
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