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ヤクルト・寺島成輝 このままじゃいけない/あのドライチは今──

 

さまざまな経験を糧にできるか


 もがきながら、それでも前だけを向いて汗を流している。高卒3年目左腕・寺島成輝は今季、7月29日現在で一軍登板はまだない。かつて甲子園を席巻し、大きな期待を受けてプロ入りしたサウスポーは、悔しさを味わい続けている。

「自分が良くなるためには何をすればいいのか。それを模索しながらやっている感じですね。結果や状態には満足していません」

 2016年夏の甲子園大会。大阪・履正社高のエースとして出場した寺島は、花咲徳栄高の高橋昂也(現広島)、横浜高の藤平尚真(現楽天)、作新学院高の今井達也(現西武)と「高校ビッグ4」と呼ばれ、注目を集めた。同年のドラフト会議でヤクルトから1位指名を受けて、入団。だが、1年目、2年目ともに1試合の登板にとどまっており、プロ初勝利はまだだ。

 現在はファームで、先発ではなくリリーフを任されている。「1イニングをとにかく3人で終わらせようとか、最初から全力投球を心がけようとか。先発で必要なことや、持っておくべき心構えが中継ぎをやることでもっとその大切さが分かりました」と経験がないポジションを務めることで、再確認した部分もあったという。

 7月29日現在でイースタン・リーグ14試合に登板して2勝2敗、防御率4.94。「今のままじゃいけないと思いますし、一人の野球選手としてこのままじゃダメ」と寺島。同学年の活躍も耳に入るが、気にはしない。悔しさを糧に、必ずや大輪の花を咲かせる。

写真=BBM
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