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楽天・渡辺祐樹 チームの救世主に/待たれる一軍デビュー

 

スタートラインに立った


 大空へ羽ばたくための準備は整った。2年目左腕の渡辺佑樹である。横浜商大を経て、2018年ドラフト4位で入団。183センチの長身から最速144キロを投げ込む期待の左腕だ。

 新人だった昨年に続き、今年も一軍で迎えた久米島キャンプ。しかし猛アピールも実らず、昨年と同様に開幕一軍入りはならなかった。伊藤智仁一軍投手チーフコーチは「体も大きく魅力的な投手」と評価する一方で「球速もそうだし、いろいろな変化球も覚えないと。シュート、スライダーを投げ切れるか」と課題を挙げた。

 左打者はシュート、右打者にはスライダーでいかに内角を突けるか。スライダーは大学からの持ち球だったが、キャンプ中は同コーチにあらためて握りを教わった。昨季は「1日おきだった」ブルペンでの投球練習を可能な限り増やし、試行錯誤を繰り返してきた。

 はっきりと手応えを得たのが5月28日のイースタン・西武戦(メットライフ)。7対4と3点リードで迎えた5回無死満塁、2番手でマウンドへ。高木渉をスライダーで二ゴロ併殺に仕留めると、続く打者もスライダーで遊ゴロに打ち取り「いい感覚をつかんだ」。二軍では16試合に登板し防御率1.30(7月24日時点)と結果を残している。

 7月16日、初めて一軍に登録された。そして25日の西武戦(楽天生命パーク)の8回に念願のプロ初登板。いきなり2四球で自らピンチを招いたが、後続の外崎修汰山川穂高中村剛也を3者連続空振り三振に打ち取るという圧巻のデビューを飾った。伊藤コーチは「いずれ(成長すれば)先発でも十分に可能性はある」と期待を寄せる。大化けすれば、先発、中継ぎとも左腕不足に悩むチームの救世主になる。

写真=BBM
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