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楽天・松井裕樹 チームと仲間のために/タイトル争い参戦中!

 

無欲で突き進む


 気迫あふれる1球だった。7月24日の西武戦(楽天生命パーク)。1点リードで迎えた9回無死一塁。松井裕樹が、代打メヒアを149キロ直球で一邪飛に仕留めた。今季2本塁打を許している因縁の強打者を封じると、後続も断って26セーブ目。「やられているので強い気持ちでいった」と充実感をにじませた。

 8月11日の時点で両リーグを通じ最多の29セーブ。パ・リーグではソフトバンク・森に6セーブ差をつけ、自身初の最多セーブへ独走態勢を築いている。ただ本人がタイトルを意識することはないという。球団史上初ともなるセーブ王について問われると「どうでもいいです」と言い切った。

 タイトルより、大事なものがある。チームの勝利だ。「セーブがつかなくてもチームが勝てばいい。何とかチームが勝つことだけを考えていきたい」と力を込めた。

 ただチームのために――。仲間を信頼しているからこそ、その思いも強くなる。4月10日の西武戦(メットライフ)は3点リードの9回から登板。しかし先頭、代打メヒアに2号ソロを被弾。後続を抑え4セーブ目は挙げたが、悔しかった。今季初失点だった。

 試合後、左腕に嶋が言葉をかけた。「(シーズンの)早めに1点を取られて良かったと思うよ」。守護神は「嶋さんの言葉がありがたかった」と明かす。上を向き、課題とも向き合ったからこそ今がある。チームと仲間への思い、そして感謝も胸に、松井はこれからも懸命に腕を振る。

写真=BBM
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