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広島・鈴木誠也 首位打者争う原動力はチームプレー/タイトル争い参戦中!

 



 鈴木誠也が首位打者争いに参戦している。6月25日の楽天戦(楽天生命パーク)から3試合無安打が続き、打率は.306に落ちた。それでも、自分の力で課題を見つけ、黙々とそれをつぶすのはいつものこと。同30日のDeNA戦(横浜)ではマルチ安打をマークした。それ以降も高いレベルで打率をキープしている。

 チームプレーが高打率の源だ。リーグ屈指の長打力を誇るが、狙ってホームランを打つことはない。ヒットの延長が本塁打。1打席1打席、置かれた状況に応じ、求められる打撃に徹する。7月21日の巨人戦(マツダ広島)では、延長10回一死満塁から、マシソンの内角直球を泥臭く右前に運ぶサヨナラ打を放った。興奮さめやらぬ中「何とか落ちてくれと思っていた」と話した。無理に長打を狙わず、どうすれば勝ちにつながるかを冷静に考えた会心の「どん詰まり」だった。

 開幕前には、狙うべきタイトルとして打点王を挙げた。理由は、打点はチームの勝ちに直結するから。代名詞の豪快なホームランを狙うのではなく、あくまでチームのためになることを考える。カープの四番打者として、野球人としての信念だ。

 最終的にタイトルに手が届くかどうかは分からない。本塁打や打点のタイトル争いに再び参戦するかもしれない。それでも、鈴木の目指すところはそこではない。チームメートと勝利の喜びを共有し、日本一を目指すこと。ブレない矜恃(きょうじ)を胸に次の打席に向かう。

写真=BBM
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