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日本ハム・有原航平 エースのプライド/先発投手の誇り

 

ケガ人が相次ぐ先発投手陣の中で開幕から存在感を示している有原


 有原航平がひと皮むけた。7月17日のソフトバンク戦(北九州)では球宴での登板から中4日で8回2安打無失点と好投。3連戦の3戦目で「8回は絶対に投げたいと思っていた」と志願して、ブルペンも休ませながら、チームを勝たせるために右腕を振った。10勝目をマークしても「チームに感謝したい」。謙虚に振り返る姿勢は精神的な成長も感じさせた。

 今季はエース級の数字を残している。先発した18試合はいずれも6回以上を投げて試合を作っている。勝ち星もキャリアハイに並ぶ11勝を挙げ、防御率2.46。上沢直之、マルティネスが故障離脱している中で、獅子奮迅の働きをしている。その中で悔しさをあらわにしたのが8月10日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。「勝てなかったのは情けない」と自らを切り捨てた。

 試合前の時点で3.5差で追っていた首位との直接対決3連戦の重要な初戦。相手エース千賀滉大に投げ勝って、逆転優勝への道筋を付けるはずだった。5回までに打線から4点の援護も受けながら、6回1/3を6失点(自責4)で降板。リードを守れなかった。

 冒頭のコメントに続いたのが「チームが勝てなかったのが悔しい」だった。チームを勝たせることが先発投手として、チームの大黒柱として求められること。分かっているからこそもどかしい投球内容だった。エースと呼ばれるだけの実力はある。反省の言葉に込めたプライドは、さらなる成長の糧になるはずだ。

写真=BBM
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