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DeNA・梶谷隆幸 勝負の最終盤、チームの起爆剤に/このままでは終われない!

 

復帰戦で今季1号を放った梶谷。ケガ人も多く、チームの状態は下降気味。苦しい状況をくぐり抜けてきた経験が、チームには必要だ


 寂しい思いをしているファンは多いだろう。泥沼の10連敗からV字回復でAクラスまで浮上してきたDeNAで起こった変化についてだ。筒香嘉智桑原将志と不動の外野陣を形成し、看板選手として欠かせなかった男の現在地。梶谷隆幸は来るべき出番に備え、ファームで懸命に状態を維持していた。

 昨年は41試合の出場。腰や背中の負傷、死球による右手首の骨折、そして右肩のクリーニング手術と度重なる故障に見舞われた。「自分はクズだと思った。ケガをするヤツが悪い。とにかく1年でもしがみついて、長く(現役を)やりたい」と悲壮な決意で臨んだ今シーズン。5月6日に出場選手登録を抹消されて以降、表舞台から遠ざかっていた。

 右肩が良くなるように努力したい。自分にできることを全力でやらないと……」と2月のキャンプから毎日を大事に過ごしてきた。オープン戦を挟まない形でシーズン直前に一軍合流。3月29日の中日戦(横浜)は「一番・中堅」で開幕スタメンを果たした。完全復活への第一歩。ところが、開幕3連戦を最後に先発を外れると、出場機会は激減した。2年目、神里和毅が台頭し、ラミレス監督も若手を重用。自身でコントロールできない部分はあっても、決して不平不満はこぼさなかった。

 イースタンでは59試合で打率.296、13本塁打、33打点。課題とされた三振の多さも、239打席で42個と克服した。8月23日の巨人戦(東京ドーム)から一軍再昇格すると、「一番・右翼」でスタメンに抜擢。第2打席で右翼席へ今季1号2ランを運び、得点力不足に悩む打線に勢いをもたらした。勝負のシーズン最終盤。背番号「3」にしかない経験と実績はきっと、頼りにされるはずだ。
写真=山口高明
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