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西武・ニール 許二軍コーチの投球スタイルを参考に好投/新天地での輝き

 

安定感抜群のピッチングを披露するニール


「日本で何としても成功したい」

 強い思いが、見事に結果を手繰り寄せている。開幕から先発ローテーションの一角に入るも、春季キャンプ中に右ハムストリングスを痛めた影響が残り、4試合を投げたところで二軍再調整。だが、その時間が大きなプラスとなった。

「ランニングやウエート、キャッチボール、一つひとつをしっかりとやって、ずっと抱えていた『また痛めたらどうしよう』という右腿裏への不安を完全になくすことができた」

 100パーセントの状態に戻ったことで、フォームも本来の形で安定。無意識に患部をかばうために横振りになっていた課題が解決されたことで、最大の武器ともいえるシンカーの精度が復活した。

 さらに大きな収穫となったのが、カットボールの習得だった。「日本、西武から1年で去りたくない」との成功欲から、二軍監督、コーチ、選手など、とにかく多くの人々と会話し、結果を出すためのヒントを探る中で、許銘傑二軍投手コーチから直々に伝授してもらった。

「ゴロを打たせて取るという現役時代の投球スタイルがボクと似ているので、参考になると思った」

 実際、6月に一軍昇格後からも非常に有効な球種となっている。

「日本の野球に合わせて何かを変えたというよりも、自分の本来の投球さえできれば結果が出せると思っていた」

 9月3日のオリックス戦(ほっと神戸)でも6回1/3を無失点で自身8連勝を達成し、「今日は調子もよかったし、コントロールもよく、フォアボールを出さず自分のピッチングスタイルで投げられた。ゴロを打たせればバックがアウトにしてくれるから自信をもって投げられるよ」と笑顔を見せた。

 9勝はチーム2位の勝ち星を誇るが、「まだまだ満足していない」。大好きな日本、西武でプレーできる喜びを噛み締めながら、これからも“次の1試合”に全力を尽くす。

写真=石井愛子
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