悔しさを味わった右腕が新天地で才能を開花させつつある。8月17日のロッテ戦（京セラドーム）で今季最多の115球を投げ、9回2安打無失点。二塁を踏ませぬ快投で移籍後初の本拠地勝利をプロ初完投初完封で飾った。

　お立ち台で「本当にうれしい。京セラで勝ててなかったので、大勢のファンの方の前で勝ててうれしいです。これから、どんどん勝っていきたい」と今季3勝目を喜んだ。

　昨オフに阪神へFA移籍した西の人的補償で今季加入。もともとマイナス思考だという24歳は「（移籍は）ビックリした。周りの若い子たちを見て（プロテクト枠から）外れるだろうなとは思っていた。すぐには前向きになれなかったけど、（阪神の）矢野燿大監督に『チャンスだぞ』と言ってもらって自分もチャンスをつかむしかないと思った」と気持ちを切り替えた。

　今季は重圧もかかる中、3月上旬に右肩の違和感で戦線離脱。それでも、4月に復帰すると「（阪神時代より）直球をよくしていこうと求めた。打者の反応も変わった。今まではライナーだったり、外野の正面だったのが押し込んで外野フライになってきた」とファームで自信を深めてつかんだ一軍昇格。今季2度目の先発となった6月24日のヤクルト戦（神宮）で、7回2失点で初勝利を挙げた。

　人的補償で移籍後にプロ初完封を挙げたのは2002年のユウキ（オリックス）以来、17年ぶり２人目。逆転CS進出へ、竹安がさらに飛躍する。

写真＝BBM