常にチームの勝利のために思考し投げ続ける西
苦しみながらも先発ローテーションを守り続けてきた。チームに新戦力として刺激を与えてきたのは、移籍1年目の
西勇輝だ。
新天地での初勝利は、今でも鮮明に虎ファンの記憶に残る。4月7日、敵地マツダ
広島での広島戦で自身2年ぶりの完封勝ちだった。
オリックスから
阪神に移籍した当初は「すべてが不安」ともらしていたが、西の巧みな投球がそれを打ち消した。「大事なことは自分の成績より、チームの勝ちを意識することだと思っている。打たれても、抑えても自分が変わることはない」
5月10日の
中日戦(甲子園)で3勝目を挙げて以来、8試合も勝てないゲームが続いた。しかし、いかなる状況でもゲームを作り続ける投球スタイルに変わりはなかった。約2カ月間のブランクに「いろんなことがある」と、7月21日
ヤクルト戦(甲子園)で4勝目をマークするまで黙々と投げ続けたのだ。なかなか打線とかみ合わない登板もあって勝ち星が伸びないシーズンになったが、西らしさを存分に発揮してきた。特に、オリックス時代から続いていた広島との相性の良さは目立った。四番・鈴木をほぼ完ぺきに抑えるなど貢献してきた。
まだ負けが先行している西だが「常に強いチームでいたい」と前を見据える。シーズン終盤に向けて、右の柱としてラストスパートをかけるつもりだ。