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中日・石橋康太 プロの世界で一歩ずつ/新天地での輝き

 

石橋は7月9日の広島戦(ナゴヤドーム)で初のスタメンマスク。19歳の清水達也と10代バッテリーを組んだ


 誰が予想できただろう。1年前の甲子園で同世代の主役となった根尾昂が、二軍でプロの壁に苦しむ中、もう一人の高卒新人野手が一軍に帯同している。8月13日に2度目の昇格を果たした石橋康太。「ナゴヤドームの感覚や雰囲気も少しずつ分かってきました」。その雰囲気は18歳らしからぬ落ち着きを感じさせる。

 高校通算57本塁打の長打力を備えた将来の正捕手候補として、関東一高からドラフト4位で入団。開幕から二軍戦で積極的に起用された。7月7日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)でプロ初出場。代打で死球をもらった。中日の高卒新人捕手が一軍で出場するのは、ドラフト制後初。だが、これは序章に過ぎなかった。

 同9日の広島戦(同)で初スタメン。2年目の清水達也と組み、球団初の10代バッテリーが実現した。クライマックスは5回二死一、三塁で迎えた第3打席だ。遠藤の外角直球に反応した打球が、右翼線に弾む。プロ初安打が3連勝を引き寄せる2点三塁打。初のお立ち台にも上がり、声を弾ませた。

「すごく不安があったけど、周りの先輩たちに声を掛けてもらって思い切ってできました。すごくたくさんのファンの方の前で野球ができて幸せです」

 二軍での再調整を経て、再昇格した今はベンチで学ぶ日々が続く。「守りも打撃も走塁も、覚えることがたくさんある。すべてにおいて課題が山積み。やるべきことを継続していくしかないです」。足元を見つめ、プロの世界で階段を上がっていく。

写真=BBM
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