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巨人・大竹寛投手 クビ覚悟からのカムバック/復活の1年

 

ブルペンになくてはならない存在となった巨人大竹寛。プロ通算100勝にも到達


 徳俵に足が掛かっていた。今やリリーフ陣に欠かせない存在となった大竹寛は、背水の覚悟で今季に臨んでいた。

「正直、クビを覚悟していた部分もありました。もう1年契約していただけるんだなと思いました。なんとかチームに貢献したい」

 昨年末、契約更改の場でこう語った。プロ17年目の昨季は開幕から先発ローテーション入りするも、一軍登板はわずか2試合。広島からFAで加入した際は3年総額5億円だった年俸が2625万円(金額は推定)まで下がったものの、再びプレーするチャンスを与えられ、通算97勝99敗で迎える2019年へエンジンをかけ直した。

 春季キャンプから二軍暮らしが続いたが、6月21日に一軍初登板し、同30日のヤクルト戦(秋田)で今季初勝利。その後も安定した投球で出番を増やし、8月12日の広島戦(マツダ広島)で1点差の6回二死満塁で登板して打者4人を完ぺきに抑え、通算100勝目を挙げた。

 99敗のまま無傷の3連勝。「こんな(勝敗数が)トントンの投手っているのかな。負けて勝って、負けて勝って。そういうピッチャーです。胸を張って100勝したと言ったら恥ずかしいくらい。反省を生かしてやってきたし、これからもやっていきます」とベテランらしい、飾らないコメントで心境を明かした。

 9月5日時点で25試合登板、3勝0敗7ホールド、防御率2.86。崖っぷちに立っていた男が、見事にスポットライトの下に戻ってきた。

写真=BBM
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