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阪神・藤川球児 リリーバーに返り咲き、増す輝き/復活の1年

 

守護神でもやはり抜群の安定感を見せている藤川


 クローザーとして再び輝いているのは藤川球児だ。チームがいかなる状況に陥っても自分の役割を果たしている。

 本来のストッパーだったドリスが8月に不調で抹消。8月後半に一軍に復帰してきても、藤川の抑えは不動だった。

 8月24日のヤクルト戦(神宮)では3点リードの9回に登板し、今季9セーブ目を挙げて、一つの区切りを刻んだ。この試合の通算234セーブは歴代4位、現役最多のソフトバンク助っ人サファテに並ぶ現役最強ストッパーにのし上がった。

 新守護神であり、かつレジェンドでもある男はそれでも「年をとっただけですから」と淡々。誰よりも修羅場をくぐってきた男が浮つくことはない。

 さらに「前のことはあまり考えない。過去にすがるつもりはない」とも言い、その瞬間にだけこだわり続ける。

 藤川を指名した矢野監督にためらいはなかった。「球児のストレートは魔球、今もストレートで勝負ができている」と絶賛する。

 今季初セーブは、7月26日の巨人戦(東京ドーム)。18年9月12日の中日戦(甲子園)以来、317日ぶりのセーブだった。
 メジャー挑戦の12年までに2度のセーブ王にも輝いた。そのキャリアは伊達ではなく、再び直球で押す球児が戻ってきた。

 福原投手コーチも「いろんなパターンができるのは、球児がビシッといてくれるからだ」と信頼を置いている。

 39歳で抜群の安定感を示し続ける男。「数字に興味はない。チームに貢献することがやりたいことだから」と引き締める。
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