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ソフトバンク・今宮健太 達人の究極プレー/これぞプロの技!

 

広い守備範囲は“今宮ゾーン”とも呼ばれる


 球界を代表する守備の名手が、今季もビッグプレーで観衆を沸かせた。4月25日のオリックス戦(ヤフオクドーム)。互いに無得点のまま突入した延長10回に、今宮健太が超美技でチームを救った。二死一、二塁のピンチでオリックス福田周平が放った中前へ抜けそうな打球を、二塁ベース後方に回り込みスライディングしながらワンバウンドでキャッチ。持ち前の守備範囲の広さで外野にボールを抜かせず、二走の生還を阻止したが、今宮がすごいのがここからだった。

 スライディングを止めて送球しては間に合わないと判断し、二塁方向へと流れていた体を空中で無理やり反転し、最後は宙に浮いたままのアンダースローで二塁へ送球した。二塁塁審はアウトの判定。リクエストでも、判定は覆らなかった。「打球が緩かったので抜けたら確実に1点入っていた。まずは打球を止めることを優先して、その先は流れの中でのプレー。われながら冷静に対処できたんじゃないかな」。ケロリと振り返ったが、驚異的なボディーバランスがなせるビッグプレーで得点を与えず、チームに今季2度目のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 2013年から5年連続でゴールデン・グラブ賞に輝いたが、昨季は6月に右ヒジ痛、9月に左太もも痛で離脱しレギュラー定着後最少となる99試合の出場に終わった。常連だった同賞も故郷・大分の1学年後輩である西武源田壮亮に譲ったものの、守備の達人が見せた究極のプレーだった。

写真=湯浅芳昭
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