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西武・金子侑司 相手の勢いを止める“華麗奔放”な守備/これぞプロの技!

 

左翼で好守を連発する金子侑


 もう何点、相手の得点を阻止してきただろうか。打たれた瞬間、投手が失点を覚悟した打球でも、前後左右、自慢の俊足で全力疾走し、追いついてアウトにする。その美技に、投手陣、チームはどれだけ救われてきたことか。1プレーで、相手の流れを止め、自分たちに勢いをもたらす。盗塁だけではない。金子侑司は守備面でも、とてつもない貢献度を誇っている。

 入団時から常にグラブに刺繍されている“華麗奔放”の四文字こそ、金子侑の守備にぴったりの言葉だ。象徴的だったのが、4月10日楽天戦(メットライフ)、5回表二死三塁、田中和基の打った左翼への大きなファウルフライを、ブルペンのフェンスに駆け上がり、当然のようにキャッチ。決して容易ではない大ファインプレーをいとも簡単に見せるその姿は、まさにプロ中のプロだった。

 また、9月4日オリックス戦(ほっと神戸)、7回表に6対2とリードを広げたその裏、無死一塁の場面で杉本裕太郎の放ったホームラン性の打球を左翼席ギリギリのところでフェンスに体当たりしながらアウトに。追加点を奪った直後の失点だけは避けたかっただけに、勝利を決定づける非常に価値ある好守だった。

「ゴールデン・グラブ、いけますかね?」と本人は冗談めかして笑うが、十分狙えるのは言うまでもない。

 ソフトバンクとの優勝争い。“打ち勝つ”野球を貫く中で、その攻撃力を無にしないためにも、金子侑の守備力は絶対に欠かせないのである。

写真=BBM
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