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巨人・増田大輝内野手 夢に描いてきたプレー/これぞプロの技!

 

今季一軍デビューを果たし、なくてはならない戦力となった巨人増田大輝


 大きな体や、豪快なパワーは持ち合わせていない。それでも増田大輝は、プロの世界ではい上がってきた。

 育成出身の俊足堅守の内野手は、昨季、支配下登録を勝ち取った。育成時代を含めプロ4年目の今季は一軍にデビューし、その後、定着。自慢の小技やスキのないプレースタイルで持ち味をアピールした。

 7月3日の中日戦(東京ドーム)では7対6の劇的なサヨナラ勝利に導いた。同点の9回無死二塁。フルカウントから打球を殺した絶妙なバントを三塁前へ。三塁手・高橋周平の悪送球を誘い、若林晃弘が二塁から一気に生還。熱戦に終止符を打った。「一軍のこういう場面で、自分の持ち味を出すことを目指してやってきた。2ストライクからでも決める自信があった」。このプレーこそ、172センチの小兵選手が夢に描いてきたものだった。

 先発出場3試合目の8月18日の阪神戦(東京ドーム)では「足」で魅せた。6回に四球で出塁し、次打者の初球で二盗、さらに次の球で三盗も決めた。わずか2球で三塁に到達した若武者に、原辰徳監督も「けれん味のない、きっぷのいい野球選手。主役になりましたね」と思わずうなった。

 プロ入り前には一度は野球をあきらめ、とび職も経験、その後、独立リーグで再び夢を追った苦労人。入団前の2015年2月に結婚した夫人と2児を妻の実家がある徳島・阿波市に残し、「一緒に住みたいけど、まずは家族を養えるお金を稼がないといけない」と単身赴任で奮闘中だ。これからも“職人技”でチームを支える。

写真=BBM
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