アドゥワ誠は、8月13日に今季2度目の二軍降格となった。それまで19試合に登板し、3勝5敗、防御率4.32。うち14試合が先発だった。今は、体にたまった疲れを取りながら、ボールのキレを取り戻すことに取り組んでいる。同時に、変化球を投げる際に、腕の振りが緩まないよう投球フォームを見直してもいる。
今年もチームのために必死に腕を振ってきた。開幕は二軍スタート。4月10日に中継ぎ強化の目的で一軍に呼ばれ、4月23日の
中日戦(マツダ
広島)でプロ初先発した。そこから先発ローテーションに入り、5月12日の
DeNA戦(マツダ広島)ではプロ初の完投勝利をマーク。続く同19日の
阪神戦(甲子園)で2勝目を挙げ、5月の快進撃を支えた。その後は先発、リリーフの役割が、チーム状況により変わった。どんなときでも「与えられたところで頑張るだけです」と弱音をはかなかった。
2年目の昨年は一軍にフル帯同し、中継ぎとして53試合に登板。リーグ3連覇の貢献者の一人になった。初めて経験する一軍のマウンドにも臆(おく)せず、キレのいいボールを次々と投げ込んだ。長身ながら機敏さも併せ持ち、フィールディングもチーム屈指。実戦的な投手であることを証明していた。
2017年入団のドラフト5位。1位・加藤(現矢崎)、2位・高橋昂、3位・床田、4位・坂倉、6位・長井と6人の指名選手全員が一軍を経験しているが、アドゥワもそん色ない活躍を見せている。これで満足せず、さらに上を目指す。
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