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ヤクルト・近藤一樹 「最後の近鉄戦士」という誇り/ドラフト下位入団選手の今

 

まだまだ健在


 山あり谷ありの野球人生だ。近藤一樹はいまや、ヤクルトのブルペンには欠かせない男だ。一時は、8月25日の阪神戦(神宮)で右肩付近に打球を受けた影響でファームで調整していたが、一軍の舞台へ戻ってきた。プロ18年目の今季は背番号20を背負い、9月日現在で58試合に登板し3勝3敗、18ホールド、防御率3.63の成績を残し、リリーフの中心的選手として活躍している。

 2001年夏の甲子園大会。近藤は西東京代表・日大三高のエースとして、同校に初めて深紅の大優勝旗をもたらした。翌02年、近鉄にドラフト7位で指名されて入団。同校からは近藤を含め史上最多タイの4人が指名されたが、近藤が最後の指名だった。そこからプロ野球生活がスタート。現在、元近鉄の現役選手は近藤のほかに、ヤクルト・坂口智隆巨人岩隈久志のみとなった。

「近鉄を応援してくれていた人の期待には応えたいですね。人数が少なくなるにつれて、長くやらなければと思うようになった」。04年オフには球界再編問題でオリックスへ移籍。右ヒジの手術を受け、育成選手になるなど多くの経験をしながら、16年途中からはヤクルトでプレーしている。

 昨季は球団タイ記録の74試合に登板し、42ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。「自分は圧倒的な投球ができない」と謙そんする苦節続きの男に、ようやくスポットライトが当たった。ドラフト下位から地道な努力を続けた近藤。これからも戦力としてチームの力になる。

写真=BBM
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