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中日・藤嶋健人 血行障害を乗り越えて/ドラフト下位入団選手の今

 

はつらつプレーは高校時代から変わらない



 右手の血行障害を乗り越え、7月5日に今季初昇格した藤嶋健人。8月31日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で失点するまで、21試合連続無失点と抜群の安定感を発揮した。「とにかく試合に出たら、ゼロに抑えられるようにと思っています」。その後も大崩れすることなく、勝利の方程式の一角を担っている。

 東邦高時代は、投打二刀流で甲子園を沸かせた。ただ、その評価は決して高いものではなく、ドラフトは5位指名。1年目の2017年は、二軍でわずか5試合に登板しただけ。しかし、2年目の昨季、一気にブレークした。中継ぎで結果を残し、シーズン前半に一軍切符を勝ち取ると、6月17日の西武戦(メットライフ)で、アクシデントで先発を回避した松坂大輔に代わり緊急先発し、プロ初勝利。このシーズン、3勝をマークした。

 今季はキャンプ前に右手血行障害を発症。投手生命の危機に立たされたが、2度の手術で鮮やかによみがえった。藤嶋自身も「全然影響ないです」と驚くほどの回復ぶり。むしろオフから取り組んできた肉体改造が奏功し、球速はアップしていた。

 今季の主戦場はセットアッパー。連投もいとわず投げているが、「疲れは去年よりないくらい」と笑う。練習では、キャッチボールの球数を減らし疲労の蓄積を防いでいる。「去年はキャッチボールで良い球を投げないと不安になった。今は練習で良くても、試合でダメだったら意味がないと思うようになった」。精神面も成長。3年目と思えないほどの上昇曲線を描いている。

写真=BBM
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