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西武・本田圭佑 過去3年で“ゼロ勝右腕”が勝てるようになった理由/飛躍のシーズン

 

今季はプロ初勝利を含む6勝をマークした本田


「遠回りしてきましたが適当に3年間を過ごしてはいない自信はあります」

 だからこそ、開幕前から「今年は違う」という予感があった。

 昨年末に参加した台湾でのアジアウインターベースボールリーグで手応えをつかんで帰国した本田圭佑。キャンプ、オープン戦でも良い感覚を維持し、開幕こそ二軍スタートとなったが6戦目の先発に抜擢されて待望の初勝利。以後も先発ローテーションに加わり6勝をマーク。昨年までの3年で通算8試合登板(うち先発2試合)、0勝1敗だったことを考えればまさに飛躍のシーズンとなった。

 最大の成長は、「点を取ってもらった直後に失点しなくなったこと」。1、2年目の先発試合では味方の援護に恵まれながらも得点直後に失点し、勝利の流れを自ら手放して降板という失敗を繰り返していただけに、課題を克服したことで信頼度も確実に上がった。

 とはいえ、向上心の高い本田は「打線の援護や野手の好守に助けていただいた試合ばかり。自分の力でチームに貢献した実感はほとんどない」という。自らに課すハードルもどんどん高まり、「心技体、すべての質をもう1ランク上げて、チームを勝たせる投球ができるようにすること」を今後のテーマに掲げる。

「今年は、『ここから始まった』と言える、そんな1年にしたい」と目を輝かせていたがそのとおりのシーズンになったと言える。今季の躍進した経験を、謹厳実直な努力家がどのように自らの心骨にしていくのか。スタート切った、“新・本田圭佑”の今後に注目したい。

写真=BBM
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