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オリックス・榊原翼 課題のメンタルも強化して/飛躍のシーズン

 


 育成選手出身の榊原翼が一気にブレークしたシーズンとなった。開幕先発ローテを勝ち取ると、6月までに12試合に先発し、3勝4敗、防御率2.72。10試合連続で6回以上を投げて自責点3以下と安定した投球で前半戦の先発陣を支えた。

 新人王候補にも名乗りを挙げていたが、右肩痛で7月5日に登録抹消。9月中旬に復帰して今季を終えた。「思ったより時間がかかってしまった。新人王は残念でした」と悔しさを口にしたが、高い能力を示した。

 2017年育成ドラフト2位で入団し、昨季の開幕前に支配下登録。今年4月にプロ初勝利と順調にプロ生活を進めてきた。右肩痛のリハビリでは10日間のノースロー調整の後、少しずつ回復してきた。今季にかけていた20歳は「投げることができないのが、つらかった」と、もどかしさがあった。

 二軍での実戦復帰は8月下旬。テレビで一軍の試合を見て、さまざまな場面で「自分ならどうするだろう」とイメージし、課題のメンタル面を鍛えた。それでも「試合を見たくないくらい悔しかった」と葛藤を抱きながら同期の山岡泰輔や、同級生の山本由伸からも励まされて何とかシーズン終盤に復帰した。

 150キロ超の直球と投げっぷりの良さが魅力。「まだまだ」と謙遜するが、投げる度に手応えはあった。今まで「シーズンを通して先発ローテを守ることなんて想像もできなかった」右腕にとっては貴重な経験。強力な先発陣の形成に向けて来季はさらに成長する。

写真=BBM
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