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中日・福敬登 育成から勝利の方程式入り/飛躍のシーズン

 

今季は「困ったときの福」だった



 真っすぐが自身でも信じられないほど進化していた。福敬登は開幕一軍切符こそ逃したが、5月3日に一軍昇格すると、不動の地位を築いていく。いつしか強力リリーフ陣の一角を担うまでになった。

 昨オフからクロスステップ気味の変則フォームにし、今季途中からはその角度を生かすために、投げる際に左腕をやや下げるようにした。左打者はボールが背中からくる恐怖心を感じ、右打者には胸元へと食い込んでくる。打者は打ちづらそうにするが、最大の武器はフォームではなく、真っすぐにあった。

 善村一仁スコアラーは「福の真っすぐはすごい」と証言する。その理由のひとつが、ボールの回転数にあった。今季から球団が導入したトラックマンでは福の真っすぐは2650回転を計測している。超一流投手でも2500回転ほど。福も「自分でもビックリです」と目を丸くする。しかも、福の真っすぐは「真っスラするんです」と言うように、普通に投げてもカットボール気味に動く。この2つの要素が重なって、「見たことないボールの軌道になっているようです」と打者を苦しめている。

 今思えば、左肩を痛め、一度は育成契約となった身。昨シーズン、「自分でも信じられない。超人みたいです」と驚異的回復でよみがえり、支配下契約を勝ち取った。そして今季は大躍進。試合を積み重ねるごとに、「あたふたしなくなった」と言う。苦労人左腕が完全に一皮むけた。

写真=BBM

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