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楽天・ウィーラー 勝負どころで意地の一発/2019年ベストゲーム

 

やはり勝負強さは健在だった


 2019年はまさに「逆転イーグルス」だった。5月15日の日本ハム戦(楽天生命パーク)では9対8で延長11回サヨナラ勝ち。最大8点のビハインドをひっくり返したのは、球団新記録というおまけつきだった。

 数ある逆転勝ちの中から「ベストゲーム」を選ぶなら、4対2で勝利した9月24日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)だろう。CS進出へ絶対に負けられない一戦。一方、逆転優勝を狙っていたソフトバンクは中4日で千賀を先発で起用。必勝態勢を築いてきた。

 4回に1点を先制されると、打線は千賀の150キロ超の直球とフォークに苦しめられ、5回まで無得点に抑えられた。 

 重苦しい雰囲気を打破したのはウィーラーだった。0対1で迎えた6回二死一塁、甘く入った変化球を強振し決勝の19号2ラン。お立ち台では「打った瞬間に入ると思った。千賀というスーパーピッチャーを相手にして、どうなるかと思った。最高の結果になって良かった」と喜びをかみしめた。

 6月から8月まで、3カ月連続で打率1割台と今夏は絶不調。打線のブレーキとなり、8月下旬には二軍落ちも経験した。だが「野球は何が起こるか分からない」と降格にも気落ちすることなくバットを振り込んだという。まさに意地の一発だった。

 冒頭の日本ハム戦では決勝の右犠飛を放つなど、序盤は確かにチームを引っ張った助っ人砲。秋の大一番で見せた輝きも、また強いものだった。

写真=BBM
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