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広島・會澤翼 選手会長が執念で決めたサヨナラ勝ち/2019年ベストゲーム

 


 9月23日、中日戦(マツダ広島)の10回裏一死満塁。會澤翼は、R・マルティネスがフルカウントから投じた直球を打ち返した。打球が中前で弾み、サヨナラの走者がかえるのが見えた。一塁ベースを回ったところで、ベンチから飛び出したナインにつかまり、ペットボトルの水でずぶ濡れになった。球団新となる今季12回目のサヨナラ勝ちを、選手会長が執念で決めた。

 會澤にとって、9個目の勝利打点だった。今季は捕手としての出場機会を石原、磯村らと分け合ってきた。それでも勝負強さと正捕手の意地は健在で、ここぞの場面で本領を発揮。終わってみれば、得点圏打率はリーグ1位の.351をマークしていた。

 勝たねばならない試合だった。引退試合で登板した先発・永川を、いい形で送り出したかった。クライマックスシリーズ(CS)進出に向け大きな意味を持つ一戦でもあった。先制したが追いつかれ、8回に2点勝ち越したが9回にまた追いつかれる展開。「負けられない試合だった」と振り返った。

 この1勝でCSに王手をかけ、最終戦の27日中日戦に勝てば、3位が確定する状況に。そこで負けても、追い掛けてくる阪神、中日が逆転するには厳しい条件が残る。この時点ではCS進出に向け、断然優位に立つ勝利といえた。

 最終戦を落とした広島は、ラストスパートを決めた阪神に3位の座を奪われ、CS進出を逃した。だが、サヨナラ勝ちの衝撃と會澤の存在感は、しっかりと残った。

写真=BBM
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