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西武・小川龍也 中継ぎ左腕が悪い状態を好転させた方法とは?/あの悔しさを胸に……

 

今季は55試合に登板し、4勝1敗15ホールド1セーブという成績を残した小川


 昨季途中の7月に中日から加入し、中継ぎとして15試合、防御率1.59の成績を残し、首脳陣の信頼を勝ち取った小川龍也。今季は貴重な中継ぎ左腕として開幕から試合の要所となる場面で起用され、期待に応えてきた。しかし、6月中旬から安定感を欠き、6月22日に登録を抹消され、再調整を言い渡された。「やっぱり」が、正直な気持ちだったという。

 実は開幕当初から状態の悪さを感じながら投げ続けていた。それまで抑えられていたのは、「相手打者の打ち損じに助けられるなど、本当にたまたまだった」という。「このままじゃダメだ。いつかつかまる」。常に思っていたことが、現実のものとなった。

 だからこそ二軍ではフォームから何から、全部を変えた。

「足を上げるタイミング、角度、向き、力の入れ方など見た目には分からないかもしれませんが僕にとってはすべてが前とは全然違う」

 意識したのは抑えていたときの自分。映像を再チェックし、「どうなっているときが抑えられているのか。そのときの後ろの腕がどうなっているのか。その形に近づけていくことで、状態を上げていった」。7月27日に再昇格してからは28試合、22回1/3を投げて4失点と抜群の安定感を誇り、特に優勝争いが佳境に入った9月は防御率0.00。リーグ2連覇に大きく貢献した。

 とはいえ、本人いわく、「良くも悪くも向上欲が強い性格」。現状も「まったく納得していない」という。「逆球も多いし、もっとスピードも出したい」。飽くなき向上心でさらなる進化を目指す。

写真=BBM
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