ミスは引きずらない
後半戦のスタートで、つまずく形となってしまった。後半戦初戦となった7月15日の
巨人戦(長野)。4対4で迎えた延長11回無死一塁だった。6番手で2イニング目の登板となった
五十嵐亮太が、大城の投犠打を一塁へ悪送球。球が転がる間に一塁走者が生還して勝ち越しを許し、そのまま敗戦を喫した。
日米通算22年目。あらゆる修羅場をくぐり抜け、酸いも甘いも知るベテラン右腕も「申し訳ないです。握り損ねて急いでしまった。完全に僕のミス。自分のミスから傷口を広げてしまった」と頭を下げた。悪送球した球は、地方球場ならではの広いファウルゾーンを転々とし、カバーに入った右翼手・
雄平もファンブル。小川監督も「延長でミスが出ると、こういう結果になってしまう」と敗戦の弁を述べた。
五十嵐は今季、10年ぶりに古巣に復帰。昨季限りで
ソフトバンクを戦力外となり、手を差し伸べてくれた球団に「まさか戻れるとは。このユニフォームを着てやれる喜びがある。やってやるぞという気持ち」と恩返しを誓っていた。そんな中、後半戦初戦でのまさかのミス。だが、そこで引きずらないのがベテランだ。翌日以降の試合に備えて変わらずに準備を重ねた結果、8月8日の
阪神戦(神宮)では日米通算900試合登板を達成した。
チームは最下位に沈む中、40歳ながら今季は45試合に登板。ミスを引きずらず、自身の仕事を全うしたシーズンだった。
写真=BBM