週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ソフトバンク・柳田悠岐 3年連続日本一の選手会長/チームリーダーの2019年

 

日本シリーズ第2戦でもホームランを放った柳田


 レギュラーシーズンでチームをけん引できなかった分、柳田悠岐が短期決戦で大きな仕事を果たした。10月6日の楽天とのCSファーストステージ第2戦(ヤフオクドーム)。初回に美馬学の投じた低めのカーブを思い切りすくい上げた。「詰まってたので入るとは思わなかった」と右中間テラス席へ力で運んだ同点弾は、9月1日の西武戦(メットライフ)以来、約1カ月ぶりの一発。負ければ今季の終戦が決まっていた一戦で、先制点を奪われ重苦しいムードが漂っていたベンチを鼓舞した。

 再び1点を追う3回にも同点の適時二塁打を放ち、5回にも内野安打を放ってCSでは自身初の1試合3安打で勝利に導いた。「チームが負けたら自分の責任」と、打線の柱を担う選手会長の責任感は強い。この1勝から勢いに乗ったチームは、第3戦も勝利しファーストステージを突破。ファイナルステージでも西武をスイープし、CS史上初6連勝で3年連続日本シリーズ進出を決めた。

 今季は開幕9戦目の走塁中に左ヒザ裏を肉離れして戦列を離れた。当初は全治3週間と診断されたが、その後、重症だったことが判明。約4カ月にもわたる長期離脱を余儀なくされ、8月上旬に二軍戦で実戦復帰した際には「治るかどうか分からない不安がありました……」と、人目を気にせず涙を流した。結果的にチームも2年ぶりのリーグVを逃しシーズンでは大きな悔しさを味わった選手会長。チームは10月23日に3年連続の日本一に輝いた。しかし、11月1日の秋季キャンプから、3年ぶりのリーグVに向けて再始動する。来年こそは必ずそのバットでV奪取に貢献する覚悟だ。

写真=湯浅芳昭
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング