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ヤクルト・中村悠平 リードでも、バットでも/チームリーダーの2019年

 

バットでは何とか意地を見せた


 責任と悔しさを人一倍感じたシーズンだった。選手会長2年目だった中村悠平は今季、126試合に出場し、正捕手としてチームをけん引。だが、2年ぶりの最下位に沈み、自責の念に駆られた。

「これだけマスクをかぶっていて悔しいというか、責任を感じますね。防御率もそうだし、チームの勝敗も、です」

 リーダーとして苦しさを味わいながら戦った。チームは、5月14日の広島戦(マツダ広島)から6月1日のDeNA戦(横浜)まで、1970年の自チームのセ・リーグワースト記録に並ぶ16連敗。終わってみれば、59勝82敗2分けで、5位・中日に9ゲーム差の圧倒的な最下位だった。中でもチーム防御率(4.78)は、ダントツで12球団ワースト。正妻として責任を感じずにはいられなかった。

 だからこそ、バットでは少しでも貢献したかった。打率.269は、規定打席に達したシーズンではキャリアハイの数字。「去年は終盤で代打を出されることが多かったから、なんとか打たなきゃと思って取り組んできた。少しは形にできたのかな」とうなずいた。

 打撃向上の裏には、選球眼の向上もある。「ボール球にあまり手を出さないようになった。見え方が違ったのは進歩したところ」と中村。53四球もシーズン自己最多で、好球必打が好結果につながった。シーズン終了後には右ヒジのクリーニング手術を受けることを決断。来季も万全な状態で、チームの先頭に立って、戦う。

写真=BBM
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