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中日・高橋周平 等身大のキャプテン/チームリーダーの2019年

 

無理してキャプテンらしくしようとしない、自然体を貫いた高橋周平


 鳴り物入りで入団して8年目。周りの期待にようやく結果が追いついてきた。117試合で打率.293、7本塁打、59打点。後半は五番に定着し、2年連続で規定打席に達した高橋周平は「昨年からとにかくヒットを打たないといけないという思いでやってきた結果が、少し良い方向に出たのかな」と自己分析した。

 5月に初の月間MVPを獲得し、初出場した球宴では敢闘賞も受賞した。しかし、8連勝となった7月16日の阪神戦(ナゴヤドーム)で右手小指の靱帯を断裂。チームはその後、8連敗を喫した。手術を回避して1カ月で復帰したが、実戦感覚を取り戻し切れず、初の3割には届かなかった。

 新年早々、与田監督に呼ばれて主将に指名された。中心選手としての自覚を促された形。「やる前は何をやればいいのか分からなかった」。だから自然体を貫いた。「試合が始まればみんなそれぞれ必死にやってくれる。キャプテンからこういうふうにやっていこうとか言うつもりもなかったし、その必要もなかった」と振り返る。

 悩みがなかったわけではない。「雰囲気が良いときはみんな勝手にやってくれる。自分が結果が出ずにチームも負けてしまうときが一番きつかった」。率先してマウンドで投手に声をかけるなど、態度でも示そうともした。

「少しは成長できたのかな」。必死に前を向いた1年間。「やっぱり勝たないと意味がない。どうやって優勝するか考えて準備していきます」。来季はさらに成長した姿を見せる。

写真=BBM
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