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広島・坂倉将吾 代打では得た信頼。次は定位置へ/来季こそ主力に

 


 坂倉将吾は独特のスタイルでフリー打撃を行う。打撃ケージをはみ出すくらい投手寄りに立ち、ボールの体感速度を上げて打ち返す。「バットが出るように、です」。自らの課題に黙々と取り組む。

 今春のキャンプでは三番候補に挙げられた。打撃に関して自分の形を持っており、パワーもある。オープン戦は.190にとどまったが、開幕一軍に抜てきされた。3月31日の巨人戦(マツダ広島)に六番・左翼で先発。3打数無安打に終わったが、4月7日阪神戦(マツダ広島)では途中出場でマスクもかぶった。4月8日に二軍降格となったが、期待の大きさが表れていた。

 5月17日に再び一軍に呼ばれた。二軍で打率.325、1本塁打、13打点の成績を残し、打力を期待されての昇格だった。5月19日の阪神戦(甲子園)で代打出場し、今季初安打の右前打を浜地から放った。同24日の巨人戦(東京ドーム)でも代打出場し、今季初長打の右中間二塁打を戸根から飛ばした。それからは代打で計算されるようになった。

 レギュラーにはなれなかったが、一、二軍を往復しながら持ち味は発揮した。代打出場した8月1日の巨人戦(東京ドーム)では、大竹からプロ1号となるダメ押し3ランを放ち、ベンチでチームメートの手荒い祝福を受けた。

 いつまでも控えの立場に甘んじるつもりはない。出場機会を増やすため複数ポジションに挑戦する計画もあるが、胸に秘めるのは正捕手への思い。「ポスト會澤」の座を虎視眈々(こしたんたん)と狙う。

写真=BBM
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