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西武・高橋光成 プロ初の2ケタ勝利を達成できた理由とは?/区切りのシーズンを終えて

 

今季は10勝6敗、防御率4.51の成績を残した高橋光


 高卒5年目、先発であれば誰しもが1つの目標とするであろう“2ケタ勝利”を初めて達成した。

 自主トレ時から、高橋光成の今年にかける意気込みはヒシヒシと伝わってきていた。「周りにすぐ流される」という、自身のウイークポイントから逃げずに向き合い、その克服のため目指す方向性をしっかりと定めた。その上でフォームを固め、球に最大限の力を伝えるべく思いどおりに体をコントロールするために必要な筋力をアップ。人生初の体重100キロ超でシーズンに挑んだが、見事に重くなった四肢を使いこなし、馬力へと変えた。

 結果が出ないときも、自分で決めた方向性を信じ、決してブレることはなかった。シーズン通して決心を貫徹できたことは、投手としてはもちろん、人間的にも大きな自信となったことは間違いない。

 もう1つ、個人として大きなテーマを掲げていた。「ケガをしないで1年間投げ切る」ことだ。一昨年、昨年と右肩のケガに悩まされ、苦悩の日々を送っただけに、万全の状態で挑んだ今季こそ、シーズン通して離脱なく先発ローテーションを守り切りたかった。だが、9月7日楽天戦(楽天生命パーク)の登板中に右ヒジに違和感を覚えて、翌日離脱。あと一歩のところでフル稼働を果たすことができなかった。それでも、登板21試合のすべてで先発し、自己最多の123回2/3を投げたことは収穫だった。

 10勝6敗と、貯金4つも自己最高。防御率が4.51だけに、「内容には課題がある」と口にするものの、辻発彦監督も貢献度を高く評価した。今季から背負った、偉大な大先輩・西口文也投手コーチの背番号「13」に恥じない活躍だった。

写真=BBM
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