故障からの完全復活は近い
復帰星から、約7カ月が経過した11月下旬。
釜田佳直は4月に勝ったときの喜びなど、忘れてしまったようだった。
昨年6月に右肩と右ヒジを手術。4月21日の
オリックス戦(
楽天生命パーク)では6回途中3失点の粘投で、665日ぶりの白星を飾った。だが一軍での登板は、この試合を含めても5試合のみ。今季は1勝1敗、防御率5.40という成績に終わった。
「体は元気でした。二軍では、ほぼ先発ローテーション守り続けたけど、なかなか一軍で登板する機会がなかったので」。体は万全だっただけに、悔しさだけが残った。
例年よりも結果を求めたシーズンだった。昨オフに一般女性との結婚を発表。常に献身的に支えてくれる妻への感謝の思いを忘れた日はない。
「食事はもちろん、野球以外の身の回りのことも含めて、僕が野球に集中できる環境を作ってくれている。なんとか結果で恩返しがしたいです」
倉敷秋季キャンプでは、あらためて
シュートの習得にも取り組んだ。「もともとは投げていた球でしたが、メーンとなる球種ではなかった。精度を上げて、自分の投球の幅を広げたい」と意気込む。
ウイニングボールは、愛妻に渡すと約束している。渡したボールは、まだ1個だけ。「来年はあと10個ぐらいあげられるように頑張りたい。まだまだ1年間、フルに投げられることをアピールしていきたい」。来年こそ、完全復活を遂げてみせる。
写真=BBM