今季は3月31日の開幕第3戦の広島戦で先発のマウンドに立った巨人の畠世周だが、悔しいシーズンとなった
5年ぶりのリーグ優勝を果たしても、畠世周に笑顔はない。3年目のシーズン、高い潜在能力を今季も開花させることはできなかった。
「悔しいという気持ちしか思い浮かばないシーズンでした」
2016年のドラフト会議で2位指名を受け、1年目の7月に一軍デビュー。シーズン後半は先発ローテーションを支える存在となり、6勝4敗、防御率2.99と即戦力ぶりを発揮した。
昨季は開幕前に腰痛を発症。中継ぎに転向するなど9試合の登板で2勝0敗。今季は開幕ローテーション入りを果たした。チーム事情で中継ぎに配置転換されたが、5月6日に出場選手登録を抹消され、7月中旬に右ヒジの遊離軟骨を摘出するクリーニング手術を受けた。その後はリハビリ生活を送り、一軍復帰とはならなかった。
手術後のリハビリでは「体を強くしようということを目標にやってきています」と故障箇所の周辺部位の強化も意識的に行い、復活に向けて地道なトレーニングを積んでいる。
チームは今季15勝を挙げた
山口俊がポスティング制度を利用してメジャー移籍を表明。退団する可能性が高く、畠には“後継者”の1人としての期待がかけられる。
「来季、実際どうなんだろうという周りの目はあると思います。『いつでも行けます』という準備をしたい」と来季を見据える目は力強い。チームメートや首脳陣が口をそろえて絶賛する力強い直球を、一軍のマウンドから投げ込む。
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